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人工知能に煩悩を持たせるには? / 「人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇」 書評

特にエンジニアとしてDeep Learningや機械学習に取り組んでいる訳ではないのだけど、人工知能にとても興味を持っています。

なぜか?

それは人工知能を考えることは「知能とはなにか?」「意識とはなにか?」という哲学的な問いを考えることでもあるからです。そのようなことに気づき、楽しく考えることができたのは三宅さんが主催する「人工知能のための哲学塾」に参加していたからなのですが、イベントの内容をまとめた新刊をご恵贈いただいたので、さっそく読んでみました。

前作である「人工知能のための哲学塾」は西洋哲学をベースとした内容だったのですが、新刊は「人工知能を東洋哲学から考える」という、世界的に見てもなかなかない斬新かつ新しい試みです。人工知能の知識をひととおり持っている人にとっても多くの気づきや問いを得られるかと思います。

人工知能に煩悩を!

東洋哲学で人工知能をとらえると「人工知能はそもそも解脱している」状態となります。そこに煩悩を与えることで人間らしさを表現するには、どうすればよいか?

西洋哲学の構成主義に対して、東洋哲学の「混沌から万物が生まれる」という考え方の違いが面白い。いかに自分が西洋哲学の影響を受けているかと思い知らされます。

また例えば、

ハイデガーやベルクソンが考える「存在と時」に対して、道元の「有時」という時間の概念はどういうものか?

といったように西洋哲学と東洋哲学を対比した考察も多く、東洋哲学の特徴が良く分かります。

最後の解説に出てくる禅的世界観を表す「十牛図」の説明も面白い。果たして人工知能は牛を探しに行くのか?

おまけ

イベントに参加したときに用意したSlide Shareをまとめました。イベントでどのようなことが議論されていたかの参考になればと思います。


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