『Web Designing 2024年8月号』の特集記事「なぜ人は、一からつくりたくなるんだろう?」を制作しました。
6月18日発売の『Web Designing 2024年8月号』にて、AIとクリエイティビティをテーマとした特集の一部を、ニューQの特別出張号として制作しました。
ゲストに横浜国立大学准教授で芸術学研究者の平倉圭さんと、作曲家でデザイナーの吉田明史さんをお招きし、「なぜ人は一からつくりたくなるのか?」という問いを出発点に、AIと制作をめぐる対話形式のワークショップを行っています。
「AIとクリエイティビティ」と聞くと、制作におけるAIの活用方法や上手い付き合い方を考えたくなるかもしれません。実際、AIの進歩によって、多くの人が簡単に文章や画像、音楽などの制作物を生成できるようになってきました。
しかし、さまざまなものが簡単につくれるようになってうれしい反面、その作品を自分でつくったとは言い難い気がしたり、何かずるをしているような気持ちになったりすることも。「何かをつくる」とは一体どういうことなのでしょうか。
そこで今回の企画では、扱い方や向き合い方といった方法についての議論はさておき、AIをあくまできっかけの一つとして、われわれにとって制作とは何なのかを考えてみるために、「なぜ人は一からものをつくりたくなるんだろう?」という問いから対話をはじめてみることにしました。
ゲストとしてお迎えした平倉さんは、著書である『かたちは思考する』(2019年、東京大学出版会)で「思考の過程を作品から読み解く」という実践をされています。作品が思考のあらわれそのものであるとしたら、AIの登場によって制作のあり方はどのように変わりうるでしょうか?また、もう一人のゲストである吉田さんは、「一からつくる」という考えからは遠く離れた(?)サンプリングの手法を用いて制作を行っており、少し違った視点から対話に参加してくれました。
研究者とクリエイターのお二人を交えながら、畑づくりからゴダールまで、なぜかものづくりを始めたくなる記事になっています。普段からAIと一緒にものを作られている方も、AIとうまく付き合えていないかも、と感じられている方にも読んでいただけると幸いです!